なんでだろう、木村くんのその言葉に、 その表情に、その声を聞くだけで、 身体中に電気が走るような感覚におちいる。 そしてそれは痛みがなくとても心地いい。 「今は……いないよ……」 精一杯の私の言葉。 「好きな人はいない。」 好きな人はいない、だけど、忘れられない人はいるーー そんなこと言えるわけがない。 てか、言いたくない。 「そうか。」 ポツリと聞こえた木村くんの声。