相手がどうだからじゃなくて、私がどうしたいか。

私は…なんで達也にこだわるのか。

達也より魅力的な人はいる?純粋に惹かれて、一緒にいたいと思う人はいる?

ぐらぐらとする頭をしぼって考える。

ふらふらと歩いていたら、福富町についてしまった。

どうしよう。このケーキと惣菜。惣菜は家で食べるとしても、ケーキは…冬に向かって冷たくなった秋風が袋の中の2膳の割り箸に当たる。

とりあえず落ち着きたい。伊勢佐木モールのサンマルクで温かいコーヒーでも飲もう。

指先がかじかんで、頭に血液が集中している感じがした。

誰にも会いたくない。柏木さんにも。奈津美にも。むとうさんにも…

私のことをささやかに支えてくれる人たちに顔向けできないほど、自分が惨めに見えた。