視界から消えたナオヤの代わりに、助手席には、女の人。







そっか…ナオヤみたいにイイ男、放っておく人、居ないよね。



衝撃──を通り越して、妙に納得してしまう。






助手席に座る女性は、今風の茶髪で、風になびく軽めのカールを、派手な指先でクルクルと遊んでいる。

目元もハッキリ縁取られ、笑顔で見えなくなったナオヤと会話をしているのだろう。



私の視線には、一切気付かずに。








恐らくナオヤも朝帰り。
昨日のケータイの着信音はその女性からだったのだろう。

そして、昨日会えなかった事を詫びて、どこかのラブホにでも居たのだろう。

私達が昨日そうした様に、ナオヤ達もセックスしたのだろう。




それは、どこの恋人達にでも当てはまる、ありふれた幸せの光景。

一緒に朝を迎入れたという、喜び。

ナオヤは同じだと昨日言ってくれた。

でも、それは私の思い込みだったのかな?