タマシイノカケラ

繰り返される呼吸は、次第に熱を帯びてきた。

うなじを粟立たせる。

何度目かの名前を呼ばれ、ふと首筋に温い感覚があった。

それは雨粒の様に、ゆっくりと肩まで濡らし、私の服に染み込んだ。

同じ道筋を辿り、また温い滴。



湿っぽい声。

締め上げる腕に、力がこもる。

また、雨粒が首筋を濡らす。



──ユウキ、泣いてるの?

問いかけ様と口を開いた時、

「カナは、俺のトコに戻ってくれるよね?」



また、あのセリフ。

メールの文字より、言葉で確認された方が、私に重圧をかける。



終わりにしたいと、直前まで思ってた。



でも。



今の私、そんな言葉を口にできない。



やんわりと束縛するユウキを拒めない。


泣き顔のユウキを想像しただけで、欲情する。



心はナオヤを求めてるのに、体はユウキを欲しがった。



どこまで、醜い私なんだろう。



どこまで、私は堕ちていくのだろう。