頭が痛い。
明らかに飲みすぎ。
テーブルの上にグラスを力なく置く。
サラダも、きれいに盛り付けられたメイン料理にもほとんど手をつけていない。
投げ出す、私の手。
変わらない、ユウキの視線。
耐えられない、私の気持ち。
椅子を蹴り上げるように、立ち上がる。
反動で、目眩がする。
「危ないよ」
ユウキも立ち上がり、ふらつく私の手をつかむ。
「もう、出ようか?」
目眩で景色が歪む。
声が耳鳴りの様に響く。
私のこめかみ辺り、心臓が移動してきた様に、脳に響く音を立てている。
「少し休んでから帰ろうか」
いいよ、返事をする代わりにユウキに倒れかかる。
──欲しいのは、ナオヤだけ。
それを理解して、ユウキに体を許す。
馬鹿で惨めで、ユウキで満たされないと知ってて、セックスを求める。
──病気だ。
それも末期症状。
救い様が、ない。
