タマシイノカケラ

──心が傷んだ。



でも、ナオヤの時とは明らかに違う痛み。

古傷を撫でられ、無理にかさぶたを剥がされた感じ。

鈍い痛み。
ドクドクと音を立て、血液が流れ出る。



きっと、良心という部分の昔からの傷。

ユウキはそこを攻めてくる。
揺らぐ、悲しい目は私の傷口を簡単に裂いていく。






目の前にはアルコール。

赤みがかったオレンジ色。

流れ出る血液を補給する様に、グラスを重ねた後、一気に飲み干した。




良心への輸血。

そうやって、アルコールでいつも誤魔化す。

後ろめたい自分。

良心の傷が痛んで、出血する度、私は常にアルコールを欲した。





同時に、男も欲した。







きっと、後ろめたさを隠す為。

良心を鈍らす為。

自分を寂しい女と感じさせない為。




──それらを埋める、何かを欲した。