タマシイノカケラ

視線が、私へ注がれているのが解る。
逸らす事なく、ユウキは私を見つめている。

でも、目を合わせたくなくて、合わせられなくて、ずっとうつ向き加減の私。

蝋燭の炎で揺れる、ユウキの影だけを見つめ続けた。





お互い言葉を切り出せずに、静かな時間は流れていった。

店内は殆んど客がおらず、本当に静かであった。





注文した飲み物が2人の前に並べられ、ようやくユウキから口を開いた。





「…顔、見せて。一緒に乾杯しよ」

影から実物へ視線を向ける。







──寂しそうな、2つの目が揺れていた。

穴が開くくらい、私を見つめている。