そして、歩きだす。

アテもないのに、闇の中で歩みを進める。

また、足元が軽くなる。

私の重みで、堕ちていく。

もがくけど、何もない。

落下のスピードが無くなる。

そしてまた、闇を歩く。



繰り返しだった。



何もない。
誰も居ない。

歩いて、堕ちて。

私の今まで生きて来たストーリーの再生。

希望と呼べるものも無く、ひたすらさまよう。

そして、拒絶──或いは絶望で私は堕ちる。

でも、私には知恵なんてないから、また繰り返す。



──ウンザリな、この生活。

どこかで辞めにしたかった。

でも、抜け出す出口は見つからない。









ナオヤ…。

貴方が居たら、きっと抜け出せるのに。



夢から醒めても、まだ夢の中で取り残されてる気がした。