西陽が、頬を射す。
──私は眠っていた。
起きた瞬間、吐き気は和らいでいたが、夢の内容を思いだし、また憂鬱になった。
闇の中を歩いていた。
光なんて、ある訳なかった。
歩く先は右か左か。それとも登っているのか、下っているのか。検討もつかない。
足元が急に軽くなり、重力で私は堕ちているんだな、と感じた。
体は水平になり、私はもがく。
でも、掴めるものは、何もない。
あるのはただ、闇だけ。
闇の中を、ひたすら堕ちていく。
突然、落下していく感覚が失われる。
不思議と衝撃はなかった。
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