…違う。

違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う。違う──。

──私は、ナオヤが好き。






でも、同じだから、汚したくないの。






私なんかで、汚したらダメなの。






同じ人間と巡り逢えた事だけでも、感謝しないといけないのに、それ以上、望んだらいけないの。






──ナオヤを、汚したくないの。






独りっきりの体育館で大声を出したように、心の端まで、私の叫びはこだました。





正体の解った闇の魔物は、静かに姿を消している。

代わりに、目の前には、湯気の立ったコーヒーが置かれていた。