タマシイノカケラ

脳が警鐘を鳴らす。




こんな人と付き合えたら…。

こんな人と、体を重ね合わせたら…。

妄想が止まらない。

手に触れたい。
顔を撫でたい。
そのまま、首筋を通過し、胸の中で抱き締められたい。
好きだよと、耳元で息を吹き掛けられたい。
熱い体温を体の中に宿したい。




──貴方を、奪いたい。



私の中の、禍々しい部分が、次第に形をなしてくる。

闇の中から、手が生えてきて、拐われそうになる。

それを食い止めようと、必死で抵抗する、私の体。




──求めちゃ、いけないんだ。


闇の手を追い払う呪文。

──同じだから、求めたらいけないんだ。

──同じだからこそ、求め合ったらいけないんだ。