タマシイノカケラ

メニューを開く前から、ナオヤは決めていた様で、いつまでも迷っている私に、

「同じO型なのに、なんでそんなに迷うかね~?」

と不思議そうな視線を投げている。

「…何で、血液型まで知ってるの?」

少々不気味になり、問いかける。




ストレートな言葉が、私を貫く。

「俺とカナは、同じなんだろ?だったら、血液型も同じね」

クスクスと、ナオヤは笑っている。

笑われている事が急にくやしくて、恥ずかしくて、メニューでナオヤを叩く。

「ごめん。嘘。前にカオリから聞かされてたんだ」
「…なぁんだ」
「でも、同じO型には間違いないし。だから、何で迷ってるのか、不思議だったんだ」

先程の笑いよりも、今は落ち着いて笑っているナオヤ。

少しだけ、大人な雰囲気があった。