「ここでいいや」

左側に、ファミレスが見えた。

弧を描き、車道の列を抜ける。

隣では、飯、飯と何度も繰り返している。

本当に、可愛かった。



ナオヤには申し訳ないが、頭に赤い特大のリボンをつけて商品として出したら、間違いなく売れるだろうと、勝手に妄想して、また笑いをこらえた。







24時間営業の店内には、モーニングを注文しているサラリーマンであろう、男性が数名居るだけであった。

明らかに場に似合わない2人であった。

席の横を通ると、観察するような視線が背後から突き刺さった。

普段は男と一緒に並んで歩く姿なんて、例え他人でも見られたくなかった。