──実際、一晩男と飲んで一緒の空間に居たのに、何もなかった。

誘おうと思えば、いつでもできた。

海に行く前にも、ラブホなんて色気がない。など、散々下ネタばかりを話していたのに。




結果、手すら触れあう事なく、夜は過ぎていった。





そして、朝を迎えた。








こんな事、私にしたら珍しい。と言うか、有り得ない。

今までだって、寂しさを埋めるように、何度も体を重ね続けた。

これから先も、何度でも、馬鹿な行為を繰り返してしまうのだと思っていた。



セックスの後の、虚しい気持ちを抱えたまま、それでもセックスに溺れていくのだと、思い続けていた。