火をつけるより早く、ナオヤが吸いかけの煙草をくわえたまま、私に突き出す。
口づけするように、火を奪い合う。
ジジッ、と焦げた音がして、息を吸い込む。
先端に、火種が宿る。
互いの距離を惜しみながら、それぞれのシートに再び体勢を預けた。
「温い酒って、悪酔いするって言わね?」
「あー、聞いた事ある」
「だから、具合悪いんじゃねーかと思って、さ」
「心配してくれてんの?」
「一応ね」
灰を払う。ナオヤが続ける。
「女に運転させて、酒飲ませて、俺より早く起きたんだし…心配で、よ」
語尾までしっかり発音せず、ナオヤはシートの上で、小さく膝を抱えた。
口づけするように、火を奪い合う。
ジジッ、と焦げた音がして、息を吸い込む。
先端に、火種が宿る。
互いの距離を惜しみながら、それぞれのシートに再び体勢を預けた。
「温い酒って、悪酔いするって言わね?」
「あー、聞いた事ある」
「だから、具合悪いんじゃねーかと思って、さ」
「心配してくれてんの?」
「一応ね」
灰を払う。ナオヤが続ける。
「女に運転させて、酒飲ませて、俺より早く起きたんだし…心配で、よ」
語尾までしっかり発音せず、ナオヤはシートの上で、小さく膝を抱えた。
