柔らかな光が、目蓋を開けろと騒ぎ立てる。

ぼんやりした頭。

視界をこじ開ける。



フロントガラスは、2人分の呼気で白く曇っていた。

肌寒い、朝の車内。
秋の入り口が見え隠れしている、この時期。
日中はまだ半袖でも過ごせるが、さすがに朝は寒さを覚える。

たまらず、エンジンをかける。

数時間ぶり、車が息を吹き替えした。

小刻みに揺れる車体。
オーディオのデジタル時計で時刻を知った。


──6:41



眠りについてから、まだ数時間しか経っていない。