優しい、ナオヤ。









貴方の事は、この先ずっと、忘れないよ。











花火は枯れる事を知らない様に、夜空を彩り続けた。

波音も、静止することを忘れた様に、響き続けた。






お互いのケータイが鳴り響いたけど、触れずにそっと響かせた。






今、この空間を引き裂かれたくなかった。

ナオヤという、魂の存在を奪われたくなかった。

もちろん、ナオヤも同じ気持ちであった筈。
違っていたら、すぐにケータイで連絡を取っていた筈。

そしてナオヤも、私の魂をユウキに奪われないようにしたかったんだよね?









──でも、どうして、ナオヤ、貴方だったんだろうね?