「飲んだら、車の中で泊まればいいだけだろ」
「──ばっかじゃないの」
「あぁ?何でよ」
「そんな事、できません」
「えー。…つまんねぇの」

煽るように、ビールを飲み干した。








そう言えば、ユウキに連絡せずに出てきた事を思い出した。


──後で、メール出しとこ。


軽い気持ちで流す。
でも、ひっかかる思い。




ナオヤにバレずに、どうやってメールしようか…。


完全犯罪を計画するごとく、私の頭の中で嘘がセッティングされていく。

(ナオヤには友達って言えばいいし。着信があったら…電源切ってるのはマズいし…無視しとこ)



嘘。嘘。嘘の塊。

私の嘘は常に更新されて、生活に流れていく。


ユウキへの罪悪感はなかったが、ナオヤには罪を感じてしまった。