伸び終わると、ナオヤは煙草を取り出す。

緑色の星印。7と刻まれた箱。
私と同じになっていた。

「あ、火忘れた」

くわえ煙草のまま、私に手を伸ばす。

鞄から100円ライターを取り出し、ナオヤに預ける。

「サンキュー」




オレンジの炎が、2人を浮かび上がらせた。
ライターが手元に帰ってくる。

落ち着かなくて、私も煙草を取り出した。



同じ銘柄。
同じ匂い。



わずかな沈黙のあと、


「──行くトコねーなら、ラブホ行くか?」

余りにも唐突で、食事にでも行くか?と言わんばかりの、自然な口調。


動揺しきった私は、上手く煙を吐き出せずに、喉の奥でムセ反った。