電源を落とす。

でも、長押ししていた親指は小刻みに震えていた。




──自分からなんてメールしない。

だって、負けた気がしてしまう。


小さなプライド。くだらない、と笑い飛ばされるかもしれない。

私の中の小さなプライド。



捨てられたら、どれだけ素直になれるだろう。
小さな見栄。意地。
私はいつもそれらを積み重ね、てっぺんで満足した様に回りを見渡す。

揺らぎっぱなしの心という土台に、瓦礫の感情で城を作る。



壊す事ができたら、楽なのに──

20と1年。

私はそう思いながらも自分を苦しめ、瓦礫の城を創ってきた。


壊す術は、私にも解らない。