──できる。

私の中で、 弾ける音がした。


ケータイを握る。


アドレスから、ナオヤを消そうと思い画面を開く。

と同時に着信が鳴った。



一瞬だけ、戸惑ったが、画面には仕事場からの表示があった。

「──もしもし…。すみません。」

まず謝っておこう──。

「祖父が、危篤だと知らせが入って…。ハイ、気が動転してしまって…。」

そして、また殺してしまえ──。






そうして私は仕事を休む理由だけのために、今日、2人の人間を私の中で殺した。








別に、なんともなかった。

私の中で人が死のうが、私はいつも以上に冷静だった。