タマシイノカケラ

ナオヤは猫のようだった。

飼い猫ではなくて、野良猫そのもの──。

野生の勘だけを頼りに、生きていると思う。






疑え。
信じるな。
媚て、利用しろ。






生き抜くために覚えた行動。

だから、瞳はあんなにも黒く、常に闇に覆われていたんだなと、今気付いた。







私とは違う闇の理由。

同じ闇でも、どこか違っていたんだよ。









──ナオヤ、やっぱり全てが同じ訳なんて、ないんだよ。