空気は、排気ガスで濁っている。

その空気を吸い込む、私も濁っている。




空は、彼方まで澄み渡った青空なのに。





見上げた頭を降ろす。

ユウキが過ぎ去った後には、1台のタクシー。

後部座席の開いているドア。

私は中に吸い込まれた。

アパートの住所を告げる。

「はーい」

ウインカーを出し、車はゆっくりと進みだした。






街は今日も稼働している。

流れる人は、忙しそうに動いている。

タクシーに揺られ、街の賑わいを横目で見る。








私は今日、稼働できない。