音を立てながらゆっくりと扉が閉まる。
ﾌﾟｼｭｰ
そんな音を発した後、扉の中では静かに男性が目を閉じたのが微かに見えた。
そのあと扉は開く。
部屋の中に佑樹が駆け込んだ。
『死んでる…。』

人が目の前で死んだのは初めてだ。
でも何故だろう。
怖い。
悲しい。
そんな感情は一切湧いてこない。
知らない人だから？
自分は死ななくて安心した？

『ｸﾞｽﾝ…』
誰かが鼻をすすった。
振り返ると飛鳥が泣いていた。
飛鳥は恭介の腕を掴んでいる。
『怖いの？』
『うん…』
沈黙が続く。
『と、とりあえずそれぞれの場所に戻りませんか？』
「陽太くん！そうだよね！戻りましょうよ！」
私がそういうとみんなそれぞれの車両に戻った。

『マリカ、大丈夫か？』
「大丈夫大丈夫！そういう佑樹の方じゃないの？大丈夫じゃないのは！」
あれからしばらく、佑樹と私は元の明るい空気を取り戻そうとした。

ﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾊﾟﾝﾎﾟｰﾝ
［そういえばdinnerはまだだったよね？ごめんごめんっ忘れてた！
朝は8:00昼は12:00夜は話し合いが終わったあと、適当に置いとくから食べといて！］

『あ、あれ…』
七海が指を指した方向にはテーブルがあり、その上には食器、食べ物が置いてあった。
食べ物…レストランで出てくるようなとても豪華で美味しそうだ。
食器も置いてあるからバイキング形式らしい。