世界と列車。そして君。

私も中学生の時、同じような体験をした。
幼稚園からの親友がいた。
その親友にはずっと片想いをしている男子がいた。
もちろん私は応援してた。
でも…
その男子は私のことが好きだった。
親友がそれを知ったときは私に
裏切り者。
あんたと過ごした10年間損した。
そう言った。
親友は私の悪い噂を流しまくった。
だから私と関わる人はいなくなった。
でも私は親友を恨んでなんかいない。
だって自分が悪いから。

今の高校に入学した理由だって、同じ出身校の人がいないから。
今までの自分の後悔を踏まえて新しい自分になるため。

「…陽太くん。陽太くんの気持ち私もわかるよ。同情なんかじゃない。私も同じだったもん。
友達がいないなら友達になろ???佑樹も絢斗も恭介も七海も飛鳥も…みんな優しいよ。だから、私たちと友達になろ???
私でよかったら話だって…愚痴だって聞くよ。」
そう言って私は小指を出した。
『僕は子供じゃないですよ…。』
そう言いつつ、陽太くんは少し顔を赤く、目を潤ませながら小指を絡ませた。