世界と列車。そして君。

『とりあえず風呂入っちゃおうぜ、女子から先にどうぞ。』
「了解。ありがとう!!」
『ね!!飛鳥入ってもいい???…あ、でも…。』
「でも…???」
『怖い!!』
…全員がポカンとした。
レオンは自由だけど…飛鳥もこの状況でかなり明るい。
『飛鳥!?怖いのか!?じゃあ俺が…』
『バカ。』
佑樹が恭介の頭をひっぱたいた。
『じゃあ私飛鳥と入るわ。一番最初は確かに危ないし。』
そういって七海は飛鳥と一緒にお風呂へ入っていった。
『マリカちゃん!!私ちょっと仮眠とってもいいかな???さっきはすごい時間寝たけどここ最近全然寝てなくて…』
「愛さんも大変なんですね!!お風呂空いたらまたお越しますね!!」
『ごめんね~!!ありがと☆』
愛さんは仮眠中。
佑樹、恭介、絢斗はトランプ。
陽太くんは…
『マリカさん。』
陽太くんが私に話しかけてきた。
陽太くんの顔はしっかり見たことがなかった。よく見てみると中学生とは思えないほどの大人びた…整った顔をしていた。
佑樹とレオンとは違う…王子様のような…。
「どうしたの???」
『とくにこれと言った用事はないんですけど…ちょっとお話したくて…。』
陽太くんは私の横にちょこんと座った。
「…3人と一緒じゃなくてもいいの???」
『…。』
陽太くんがうつむいてしまった。
「陽太…くん???」
『…僕…うらやましいんです。友達とわいわいしてはしゃげること。』
陽太くんが少し震えている気がした。
『僕、友達いないんですよ。』
少しびっくりした。