少しずつ、見えるミライ

すっげー恥ずかしいけど......

あまりにホッとしたからなのか、気づいたら俺はうっすら涙を浮かべていて、それを見た未帆さんは、とても嬉しそうに笑っていた。



その笑顔で胸がいっぱいになって、何も言葉が出て来なくて、俺は思わず、未帆さんをギュっと抱きしめた。

でも、未帆さんの身体は前みたいに強張ってなくて、それどころか、俺に身を預けるみたいにもたれかかり、背中に緩く腕を回してくれた。




「そんなに思ってくれて、私こそありがとう。私なんかの何処がそんなにいいのかわからないけど、すごく嬉しいよ。」

「ホント?」

「うん。瀬戸君の言う通りだと思う。止まったままでいたら何にも変わらないし、諦めちゃったら何も出来ない。こんなに気になる人がそばにいるのに、逃げてばっかりじゃダメだよね。」

「.....未帆さん? 今、言ってたのって?」

「私ね、瀬戸君といると楽しいし、何となく安心しちゃうの。好きなのかどうかは、まだよくわからないんだけど。」

「.......。」

「だから、一緒にいてみるね。」

「はい。お願いします。絶対、絶対、好きって言わせますから。」

「うん。」



彼女の言葉、一つ一つが全部嬉しい。

もしかして、思ったよりも脈あるのかな?

そう思うと、俄然、やる気も湧いて来る。