少しずつ、見えるミライ

彼女と一緒に働くようになってから、この気持ちが恋愛感情かどうかなんて、考える暇もなかった。

いちいち気持ちを確かめるまでもない。

気付いたら心の中は彼女でいっぱいになっていて、バイトがない日も、会いたくて会いたくてたまらなかった。



だけど、じゃあ、次の段階に進むにはどうすればいいんだ?

とりあえず、何か仲良くなるキッカケを作らなくては.......



そう思って策を練り始めていたら、示し合わせていた訳でもないのに、あの日、沙苗さんが最高のパスをくれた。

思わぬタイミングでのチャンス到来!!

ならば、これに乗らない手はない。

ここで決めるしかないだろうと思った。



恐らく、俺一人だけでは、あそこまでの勇気は出せなかった。

自信なんて全然ないし、正直、まだちょっと早いかなっていう気もしてたから。



でも、これはチャンスなんだと自分に言い聞かせ、頑張って攻めてみたら、案外、事はスムーズに進んでしまった。

この展開には、ビックリするやら、嬉しいやら、拍子抜けするやら。



ついには好きだと思う気持ちが抑え切れなくなって、勢いでああいうことになってしまったけど.......

それでも彼女は俺を拒ばなかった。

嫌がるどころか、恥ずかしそうに頬を染め、もの凄く可愛い顔を見せてくれた。