少しずつ、見えるミライ

長い間、待って、待って、やっと手にしたチャンスだ。

絶対に失敗はしたくない。



ここでの俺の最大の目的は、彼女に近付き、どんな女性なのか、より深く知ること。

それから、彼女のそばにいて、自分の気持ちを確かめること。

そのためにも亜美ちゃんのアドバイスを生かし、必ず彼女の心を開かせてみせる!!



そう意気込んだは良かったものの、正直、初日はやり過ぎたんじゃないかと、後でちょっと心配になった。

長年の思いを抑えきれず、気持ちが前のめりになっていた上、それを見透かされたように、沙苗さんにまんまと上手く乗せられてしまった。

興奮していて記憶が曖昧な部分もあるけど、多分、あの時の俺は、相当舞い上がってたんじゃないかと思う。



未帆さんの性格を考えたら、少しずつ近付いて、ある程度仲良くなってから攻めるのがベスト。

わかってるのに、何やってるんだろう、俺。

おかげで次の日からは、内心、ヒヤヒヤしていたけど.......

彼女の様子を見る限りでは、どうやら嫌われてはいない?



そう思わせてくれたのは、やっぱり彼女の温かい笑顔。

一緒にいるだけで、大きな安心感に包まれたような気持ちになるのは何故なんだろう。

こんな気持ち、他の誰といても感じたことがない。

俺はきっと、未帆さんに本気で恋をしている.......