少しずつ、見えるミライ

だって、彼女に惹かれていることは間違いないし、それがどんな感情であれ、俺にとって特別な存在であるのは確かだ。

今よりガキだった俺に、いろいろ大切なことを考えさせてくれた憧れのお姉さんが、すぐそこにいる。

この状況に、テンションが上がらない訳がない。



でも、どうやって接触すればいいんだ?

いきなり亜美ちゃんに紹介してもらったら、引かれるかな.......

考え始めたら、亜美ちゃんが、さらに俺の頭を悩ますようなことを言いだした。



「店長ってさ、もったいないんだよね。見た目も中身も可愛いのに、何かこじらせちゃってるし。」

「え? どういうこと?」

「まぁ、離婚の原因が原因だから仕方ないけど、どっか自分を卑下してるって言うか、微妙に男性不信って言うか.....。」

「そうなの?」

「うん。とにかく簡単には落とせないよ、きっと。てか、近寄ること自体、時間かかると思う。」

「マジ?」

「まずは、バリアの内側に入れてもらうことからかなぁ。」

「.......。」



マジかよ、あの旦那はそんなにヒドいことをしたのか?

別れてくれたのはありがたいけど、これは面倒なことになったぞ。

どうすればいいんだ.......?