少しずつ、見えるミライ

彼女に再会したのは、そう決心して、充実した毎日を送り始めた頃だった。

順也と亜美ちゃんを迎えに行ったデパ地下で、彼女を見かけた時は、思わず目を疑った。

二度と彼女に会うことはないと思っていたから信じられなかったし、嬉しくて嬉しくて、とにかくもう胸のドキドキを止めることができなかった。



居ても立ってもいられなくて、亜美ちゃんのバイトが終わるのを待ち、居酒屋で質問攻めにした。

名前、性格、旦那さんのこと.......

いろいろ聞くうち、絶対にあの人だって確信した。

思っていた通りの、優しくて、フワフワして、温かい人だって言うことも。



それから、突然、R‘Sに来なくなった理由にも納得した。

彼女には悪いけど.......もはや、それは俺にはラッキーでしかなかった。



自分の気持ちが恋愛感情なのかどうか、長い間、はっきりしなかったのは、恐らく彼女が結婚しているという事実があったからだ。

そのわだかまりがなくなった今、もし彼女と向き合うことができたなら、俺の気持ちはどう動くんだろう。

確かめてみたいと思う衝動に狩られた。

そして、瞬時に、その衝動は抑えることができないくらい大きく膨らんだ。