少しずつ、見えるミライ

俺って、今まで何やってたんだろう。

答えはわかってるのに、何をそんなに迷っていたんだろう.......



言われて、頭を思い切り殴られたようなショックを受けた。

なぜか龍さんの言葉がす~っと入りこんで来て、自分でも信じられないくらい、すぐに心が決まった。



何より、夢を追いかけると決めたら、楽になった。

今まで悩んでいたのが嘘みたいに、清々しい気持ちになれた。



だから、そこからは頑張って来れた。

夢を叶えるための努力をしていると思えば、何をしてても楽しい。

親父の説得には失敗したし、最初の頃は思うようにオーディションにも受からなくて不貞腐れたこともあったけど、まだまだ俺はスタートラインに立ったばかりだ。

そんなことくらいで、いちいち落ち込んじゃいられない。



さすがに、順也がダンスをやめて就活を始めた時だけは、少し寂しいと思ったけど、その分、決意も固くなった。

だったら、俺は必ず夢を叶える。

今まで一緒に頑張って来て、これからを応援してくれる順也の分まで。



そして、いつか親父を納得させる。

俺がいい加減な気持ちで夢を語っているんじゃないって。

諦めるのは、自分の限界まで頑張ったって思えた後だ。

今は、とにかくやるしかない!!