少しずつ、見えるミライ

って、それなら私が妥協すればいいだけじゃん.........

そうよね、それはわかってる。

そんなの、とっくにわかってる。



こう見えても、私は、駅から直結する入口の正面というデパ地下屈指の一等地に、店を構えるメーカーの店長だ。

店舗の利益を第一に考えるべき立場の人間が、こんな超個人的な理由で、選り好みしてる場合じゃない。



別にこの子と付き合おうって言うんじゃないし、特別に好かれようとも思ってない。

仕事仲間以上の関係になる必要なんてないのに、何をそんなに気にしてる?



向こうはきっと亜美ちゃんから、店のメンバーの人柄を含め、いろいろと情報を入手しているはずだ。

事情をわかった上で働きたいって言ってるのに、何の心配がいる?



普通にしてればいいんだって!!

何とも思ってないから、彼は応募して来てるんでしょうが。

考え過ぎだし、ビビり過ぎだし、そこまで悩むなんて逆に自意識過剰。

ここはやっぱり、割り切るべき..........?