少しずつ、見えるミライ

「俺が転がり込んだせいで、あいつら二人きりでゆっくり出来なくなっちゃったんです。それがホントに申し訳なくて、せめて今日くらいは、一緒にいさせてやりたいなぁって思って。」

「..........。」

「あ、でも、だからって、今日、最初から泊めてもらおうと思ってた訳じゃないんです。ここに来てなかったら、知り合い探すか、最悪は漫喫でも行こうかなって思ってたから。」

「.....そう、なの? 」

「はい。だけど、沙苗さんが帰った後、ずっと考えてたんです。俺、やっぱり未帆さんといるのが楽しくて、嬉しくて.......もうちょっとだけでいいから、一緒にいたいなぁって。」

「..........。」



理由はわかったし、最もだと思う。

亜美ちゃんと彼氏のためにも、きっとそうした方が良い。



だけど、それがうちに泊まることに直結するかどうかは、また別の問題。

なのに、ズルいよ。

子犬みたいにウルっとした目で「もうちょっと一緒にいたい」なんて迫られたら、キュンとしないでいられるはずがないじゃない。

本当はわかってて、わざとやってない?