少しずつ、見えるミライ

片付け終わった後、一息つこうと思って、コーヒーを淹れた。

いつもなら一つだけのマグカップが二つ。

それだけでも、ちょっと気分が上がる。



「はい、コーヒーどうぞ。」

「ありがとうございます。美帆さんにコーヒー淹れてもらえるなんて、何か嬉しいな。」

「そう?」

「また来たくなっちゃう。」

「.......じゃあ、いいよ。またおいでよ。」

「いいんですか!? 」

「うん。」

「やったぁ。」



うわぁ、ダメだ。

私、やっぱりこの笑顔に弱いかも。

どうしてこの子は、そんなに嬉しそうに、天使みたいな顔で笑うんだろう.......



「またおいでよ」ってサラっと言うだけでも、私的には相当勇気を出して頑張ったつもりだったけど、この後、また何か可愛くねだられたら、あっさり「いいよ」って言っちゃいそうな自分がいて怖い。

立場的にも年齢的にも、私が主導権を握っていいはずなのに、今日は.....いや、最近はずっと、何だかどんどん彼のペースに引きずり込まれている気がする。



「あの.......ちなみに、未帆さん、今日って何の日か知ってます?」

「 ううん。何の日? 」