少しずつ、見えるミライ

彼は、デパートの求人掲示板に、アルバイト募集の張り紙をした翌日に、応募して来た。

で、さっき、会ってみたのだけど、聞けば、どうやら彼は、以前、うちでバイトをしていた女の子の同級生らしく、彼女から聞いたのか、仕事の内容も、デパ地下独特の空気感も、すでに何となくは理解できているようだった。



「可愛い」と「キレイ」、どっちも兼ね備えた整った顔立ちに、独特の柔らかで甘い雰囲気。

どこから湧き出てるんだろうと思うような、何だかわからないけど、とにかくキラキラしたオーラ。

遠目に眺めているだけなら、思わず顔がほころんでしまう存在なのは間違いない。



でも、話してみると、決してチャラチャラした感じではないし、どちらかと言うと、真面目な印象。

前に働いていた亜美ちゃんと同じ大学の子だから、そこそこアタマも良いはず。

すぐに戦力になることは、確実だ。



その上、今現在はフリーターのようだから、勤務時間だって自由が利く。

ホントに恐ろしいほど好都合。

これらの条件をふまえたら、不採用にする理由なんて、どこにも見つからない。