グツグツと鍋が美味しそうな音を立てると、部屋の中に食欲をそそる匂いが漂い始めた。
すると、火の通り具合を菜箸で確認しながら壁のカレンダーに目をやった彼が、急に素っ頓狂な声を出した。
「あっ! 今日って、23日ですよね?」
「うん。」
「ちょっとチャンネル変えてもいいですか? この前、撮ったやつ、今日やるはずなんで。」
「えっ! もしかして、リリアの新曲?」
「はい。」
急いでチャンネルを変えると、画面の中では大人数の女の子のグループが踊っていた。
一人ずつアップで抜かれる度、わざとらしい困り顔を作っている。
可愛い子も、そうでもない子も関係無しに。
この中で生き残って行くって、相当大変なことなんだろうなとか思いながら、それをボ~っと見ていると、CMに入る前振りとして出演アーティストが順番に映し出され、「次はリリア」というテロップが流れた。
「あっ、次だ! 未帆ちゃん、録画! 録画!」
「あぁ、うん。」
沙苗ちゃんはすでにテンションMAXのようだ。
もう慣れてしまっているのか、彼はいつもと変わらずニコニコしてるけど、すぐ横にいる人がテレビに出てくるなんて初めてのことだから、私だってすごくドキドキしている。
すると、火の通り具合を菜箸で確認しながら壁のカレンダーに目をやった彼が、急に素っ頓狂な声を出した。
「あっ! 今日って、23日ですよね?」
「うん。」
「ちょっとチャンネル変えてもいいですか? この前、撮ったやつ、今日やるはずなんで。」
「えっ! もしかして、リリアの新曲?」
「はい。」
急いでチャンネルを変えると、画面の中では大人数の女の子のグループが踊っていた。
一人ずつアップで抜かれる度、わざとらしい困り顔を作っている。
可愛い子も、そうでもない子も関係無しに。
この中で生き残って行くって、相当大変なことなんだろうなとか思いながら、それをボ~っと見ていると、CMに入る前振りとして出演アーティストが順番に映し出され、「次はリリア」というテロップが流れた。
「あっ、次だ! 未帆ちゃん、録画! 録画!」
「あぁ、うん。」
沙苗ちゃんはすでにテンションMAXのようだ。
もう慣れてしまっているのか、彼はいつもと変わらずニコニコしてるけど、すぐ横にいる人がテレビに出てくるなんて初めてのことだから、私だってすごくドキドキしている。

