少しずつ、見えるミライ

吸い込まれちゃいそうな瞳で、しっかりと目を合わせてそう言うから、ドキッとして、言葉を失ってしまう。

その瞬間を見逃さず、固まってる私の横から、興味津々と言わんばかりの大袈裟な声を上げ、沙苗ちゃんが割り込んで来る。



「へぇぇ~、そうなんだぁ。」

「就活しないで、夢を追いかけてみようって思ったのも、実はその人に言われたからなんです。やる前から諦めたら何にもできねぇよって。」

「カッコいい。それを実行してる人に言われると、すごい説得力ある。」

「そうなんですよ。ちっちゃいことで悩んでる時とかにズバッと言われちゃうと、特に。」

「わかる~!」

「だから、このバイト応募する時も相談したんです。そしたら.....。」

「そしたら?」

「自分の気持ち、確かめて来いって言われました。」

「ねぇ、それって、もしかして......。」

「どうしてそんなに気になるのか、その人と向き合ってみないとわかんないだろう、長い間、忘れないでいたってことは、お前にとって特別な存在なのは間違いないんだから、後悔する前に行動しろって。」

「わっ、積極的~!」

「だから、実行してみました。こんなに自分から攻めるの初めてなんで、実は結構ドキドキしてるんですけど。」