少しずつ、見えるミライ

「ねぇ、ねぇ、これ知ってる?」

「なぁに?」

「幼稚園は優しい子で、小学生は足が速い子、中学は面白い奴で、高校は髪型がカッコイイ奴、そんで、大学はイイ大学行ってる奴で、大人になると、お金持ってる奴がモテるんだって。」

「へぇ、何となくわかる気がする。」

「わかる? でしょ? じゃあさ、俺って、どの辺までイケてたと思う?」

「う~ん、その通りなら、大学までなんじゃない?」

「そうかな?」

「うん。」

「いや、もっと前にポシャってるかも。」

「あはは.....そうなの?」

「だってさ、自分じゃわかんないじゃん、こんなの。でもさ、これって、幼いほど純粋って言うか、心が綺麗な感じしない?」

「そうだね。だけど、私は朝陽の優しいところが一番好きかな。」

「ってことは、俺って、ピュアってこと?」

「そうじゃない?」

「マジ?やったぁ。」



ベットの中で顔を見合わせ、思わず笑ってしまう。

彼とならこんなユルくて何気ない会話にも、幸せを感じていられる。



「でも、もうどうでもいいや。俺、未帆だけにモテれば。」

「欲がないんだね。」

「だって、本当にそうなんだもん。未帆がそばにいてくれたら、もう何にもいらない。」

「.......。」