少しずつ、見えるミライ

「えぇ、このツアー中、毎日、日変わりで、メインメンバーにちょっと時間をあげて、インタビューしたり、特技を披露してもらったり、好きなことをしゃべってもらったりしてるんですけどぉ.......う〜んと、今日はね、特別。今日は、朝陽の大切な人が来てくれてるんで、はい。朝陽にマイクあげる。」



マイクを渡され、ステージの中央に連れて行かれた朝陽は、キョトンとした顔をしている。

ってことは、朝陽も知らなかったんだよね?

何、喋るのかな?

あぁ、緊張する。

これから、何が始まるんだろう.......



「こんなチャンスなかなかないだろうから、いつも思ってること、正直に彼女に伝えて。」

「えっ、ちょっ、マジすか!?」

「マジに決まってんでしょ。ほら。」



へっ? うそ~!!

どういうこと?

もしかして、招待状はこのためだったとか.......?



何を言われるのかわからないだけに、ドキドキが止まらない。

会場も、期待と好奇心でだんだん盛り上がって来ている。

どうしたらいいのかわからなくなって、自分を落ち着かせるために深呼吸した瞬間、マイクを通して、ハッキリと朝陽の声が聞こえた。



「未帆、いつも俺を支えてくれてありがとう。愛してる。これからもずっと、俺と一緒にいて。」



大スクリーンに映った顔が耳まで真っ赤に染まるのと同時に、地響きみたいな歓声が上がった。

興奮した沙苗ちゃんが、バンバン私の背中を叩いている。