少しずつ、見えるミライ

「会えて良かった。ずっと謝りたかったから。」

「いいよ。もう、いっぱい謝ってもらったから。」

「じゃあ、もう怒ってない?」

「うん、怒ってない.....って言うか、多分、あの頃から怒ってはいなかったと思う。」

「なんで? 俺、最低なことしたのに。」

「怒るって言うより、ただショックだっただけ。私こそ、修ちゃんの言い分、何も聞いてあげなかったし。」

「そうか.....。」



修ちゃんは、なぜか安心したような笑顔を見せた。

そんなこと、まだ気にしてたんだ.......



「実はさ、最近、本当のことがわかったんだ。」

「本当のこと?」

「今さら、こんなこと、未帆に言ってもしょうがないんだけど、俺自身がすごく救われたって言うか、やっと納得できたって言うか、引っかかってたことがスッキリしてさ。」

「どんなこと?」

「俺、やっぱり最後の一線を越えてなかった。」

「え?」

「極端に言うと、浮気してなかったってことかな。」

「.......。」

「相手の子、自分で言いふらしてたみたいなんだけど、噂が広がり過ぎちゃって、結局、会社に居られなくなっちゃったんだ。しかも、ありがたいことに、俺、そういうキャラじゃないみたいでさ、社内ではその子が自ら信ぴょう性のない噂、広げてるみたいな感じになっちゃってさ。」

「.......それで?」