少しずつ、見えるミライ

決めた!!

今日は、速攻で上がろう!!



聞かれる前にダッシュで上がり、定時にタイムカードを押して、とりあえず、駅の中にある有名な待ち合わせスポットで、修ちゃんと待ち合わせた。

おしゃれな修ちゃんは、昼間の服装の上に黒っぽいストールを巻いて立っていて、私の姿を見つけ、笑顔を見せると、反射的に手を出した。

だけど、すぐにハっとした顔になって、その手を引っ込め、照れたような笑顔を見せた。



もしかして、昔みたいに手を繋ごうとしてくれたのかな.......

そう思うと、やっぱりドキドキしてしまう。

切なくて、でも、ちょっと嬉しくて、態度には出せないけど、キュンとしてしまう。



だけど、ダメ。

もうこの人は、私のものじゃない。

お互いに悲しい思いをさせてしまった者同志、もう終わってしまった関係なんだから。



「お待たせ。どこ行こうか?」

「考えたんだけど、R'sダイニングとかどう?」

「へっ? あ、それもいいけど、ここから行く時間がもったいないから、この近くでいいんじゃない?」

「そう? じゃあ、昔、デートしたビストロとかにする。」

「う、うん!!」



のっけから、心臓が止まりそうな店名が出て来るから、焦ってしまった。

そう言えば、手を出されて、ポ~っとしちゃったけど、話って何だろう。

わざわざ誘うくらいなんだから、何か伝えたいことがあるんだよね.......