少しずつ、見えるミライ

そこから出してくれたのが朝陽だ。

最初は一緒に働くことさえ渋っていたのに、今はもう朝陽のいない生活なんて考えられない。



こんなに短い期間に、ここまで大きな心境の変化が起こるなんて、自分でも信じられない。

可愛いし、見ているだけでも癒されるとは思うけど、今の朝陽には、かつての私が憧れ、望んでいたスペックは、学歴くらいしかない。

それどころか、いざという時、頼れるのかどうか微妙なくらい年下だし、職業だって、まだ不安定。

その上、私には未知のきらびやかな世界を目指している訳だから、これから先、どんなことが起こるかわからない。



なのに、どうしても一緒にいたいと思っている。

いつもそばにいて、心を温めてほしいと思っている。

修ちゃんに求めていたことなんて、彼には何一つ望んでいない。



これが、「好き」っていうことなのかもしれない。

だとしたら、私は修ちゃんに本当は何を望んでいたんだろう。

会って、話してみれば、その答えもわかるかな。



こんなに時間を空けてしまうと、元は夫婦だったはずなのに、何から話していいかわからない。

だけど、ちょっと楽しみだと思えてしまうのは、今の私が幸せだからだと思う。



別れ際の思い出が後味の悪いものになってしまった分、修ちゃんが訪ねて来たら、明るく笑顔で接しよう。

私は修ちゃんを恨んでいる訳じゃない。

かつては、あんなに愛していた人なんだから。