少しずつ、見えるミライ

こうなると、なりふり構っていられない。

沙苗ちゃんにも助けを借り、由紀ちゃんと三人、手が空いている人が順に包装を進めていくことにしたけど、そういう日に限って、混雑するから嫌になる。

彼は打ち合わせが早く済んだら来るなんて言ってたけど、きっと無理だよね。

せっかく彼が取ってくれた大量注文だし、要望通りに提供できれば、次回からもマダムに注文してもらえるかもしれない。

ここが踏ん張り所だと思って、頑張るしかない!!



そうして頑張った結果、蛍の光のBGMが流れる中、何とか最後の一箱に賞味期限を記したシールを張り付ける私がいた。

あぁ、やっと終わった。疲れた。

150個、包装するだけならまだしも、接客しながらやるとなると、やっぱりキツい。



由貴ちゃんの送別会がてら、この埋め合わせにおごると沙苗ちゃんに約束し、とりあえず家路を急いだ。

すっかり遅くなっちゃった。

彼は帰ってるかな。



何か連絡がないかと思ってスマホに目をやると、彼からメールが届いている。

開いてみると、「龍さんが話があるって言うから遅くなる」というような内容だ。



じゃあ、ご飯はいらないんだよね。

だったら、ゆっくり休もう。

今日は何だか疲れちゃった。

何となくダルいし、頭も少し痛い。

頑張り過ぎて、身体が弱ってるのかな......