少しずつ、見えるミライ

もちろん、了承するしかないけど、それって結構ハードじゃない?

ただでさえ、今日は人員が一人欠けてるのに。



定番の箱入り商品は、ある程度日持ちがするものなら、工場で包装済みになって届くパターンが多い。

今回の注文品もそうだけど、その場合、包装されて来るのはメーカーのロゴの入った包装紙。

どこそこのデパートで買ったかを重要視するお客様には、当然、好まれない。



先に確認しなかったのは私のミスだけど、ってことは150個、デパートの包装紙に包装し直し?

だとすれば、もっと早めに発注しておけば良かった。

鮮度を考え、少しでも長持ちするよう、わざわざ火曜の朝の便で届けてもらうことにしたのに。



松井さんがマダムの所に行くのは水曜日だから、何が何でも今日中に仕上げなくちゃいけない。

終わらなかったら、居残ってでもやるしかないだろう。



そう思って、朝から合間を見ては、少しずつ包装を進めていた。

が、接客する人間が一人足りないんだから、そう順調に捌けるはずがない。

夕方になる前には、私が残業することがほぼ確定していた。



なのに、そこへ更なる災難が。

夕方から来るはずのバイトが来ない。

最近、採用したばかりのこの子は、学校の課題が忙しいとかで、今までにも遅刻して来ることがあった。

でも、まさか無断欠勤?

真面目そうな子だから採用したのに、裏切られた気分だ。