少しずつ、見えるミライ

でも、これにはきっと、彼なりの考えがあるんだよね。

ならば、そっとしておいてあげよう。

誠実な彼のことだから、何かそうできない理由があるに違いない。



その日は結局、そのまましばらくイチャついただけで、彼はR'sのバイトに出かけて行ってしまった。

起きていられたら待っていようと思ったのに、ベットに潜って本を読んでいたら、私は睡魔に負けてしまったらしい。

いつ帰ったのかわからないけど、目覚めたら、彼はちゃんとベットの下で眠っていて、キレイな寝顔を見てはホッとする。

彼がそばにいてくれることに、心から安心する。



こんな風にすれ違ってしまうことの多い毎日だから、二人きりでいられる時間はやっぱり貴重だ。

行ったり来たりで面倒なのに、バイトの合間のわずかな時間も無駄にしたくないっていう彼の気持ちが嬉しい。



だけど、時々、心配になる。

頑張るのは夢の実現のためだってわかってるけど、彼は本当に忙しそうだから。

せっかく仕事のオファーが来ても、身体を壊してしまったらおしまいだ。

チャンスを掴むために努力をしているのに、それを潰してしまったら.......



もちろん、それだけじゃない。

好きな人には元気でいてほしいし、いつも笑顔でいてほしい。

もはや、彼の笑顔は私のやる気の源でもある。