映画のストーリーはどんどん進んで行くのに、それとは関係なく泣き続ける私の様子に、彼も何か思うところがあったんだろう。

泣く理由にも気付いたのか、彼は指で私の涙を拭うと、頬と頬をピッタリくっつけて、私をしっかりと抱きしめた。



「俺は何があっても未帆さんを離さないから。例え、今とは周りの環境が変わったとしても、未帆さんへの思いは絶対変わらない。」

「.......。」

「だから、心配しないで、俺のこと、好きになって。何にも怖がらなくていいから。」

「.......。」

「俺ね、自信あるんだ。未帆さんがどんなに俺のこと、好きになっても、絶対負けない。どれだけ俺のこと、好きになっても、俺が未帆さんのことを好きな気持ちの方がう~んと上だし、未帆さんが好きになってくれた分、俺も好きになり続けて行くから、一生、ずっとずっと負けない。だから、どんなに好きになっても大丈夫。安心して、いっぱい好きになって。」

「.....何、それ?」

「一生、全力で愛します宣言?」

「ふっ.....ふふふ。」

「あ、笑ったな。俺、結構本気で言ってるのに。」

「だって.....。でも、ありがとう。」

「うん。」

「つい悪い方へ、悪い方へ考えちゃう癖が抜けなくて。ダメだね、私。」

「そんなことないよ。それは、それだけ悲しいことがあったからでしょ?」