少しずつ、見えるミライ

至って普通のカレーなのに、彼はニコニコしながら、美味しい、美味しいってお替わりまでしてくれた。

その様子があんまり可愛いから、見ているだけで、心がじんわり温かくなって行く気がする。

やっぱり、彼といるのは幸せ。

もう間違いないと思う。



だけど、この幸せだって、いつまで続くかわからない。

わからないから、怖くてなかなか先に進めない。

でも、あんまり待たせ過ぎたら、今度はそのせいで、彼の気持ちが離れて行くことだって考えられなくはない.......



あぁ、どうしようもなくネガティブ。

臆病すぎる自分が、本当にイヤ。

なのに、彼は相変わらず、こんな私をこれ以上ないくらい愛おしそうに見つめ、毎日、優しく抱きしめてくれる。

不思議なもので、最初はあんなにドキドキしていたのに、今はそうされると、とても心が安らぐ。



事実、今も映画を観ながら、ちょっとずつ近寄って来た彼は、いつの間にか後ろ側から私を足の間に挟んで、自分の身体に寄りかからせ、私の肩に緩く腕を回しているのだけど.......

わざわざこんな体制で観なくてもいいのに、何となくくっついちゃうのは、多分、無意識のうちにお互いの温もりを求めているから。

好きな人の体温を感じていると、安心するからなんだと思う。