「何度だったの?」

母さんが戻ってきた。

「38度9分」

「なかなかの高熱ね。寒い?暑い?」


「少しだけ寒いかな……」

「もう少し上がるかも知れないわね。しっかり温めておきましょ」


そう言って、暖房を強めて、布団もかけてくれた。


こういう時、誰か側にいてくれるのって安心するな……

安心感から、少しだけ寝れた。




暫く寝ていたら、母さんが俺の部屋にいて、少し困った顔をしていた。

「どうしたの?」

「あ、葵起こしちゃった?」

「ううん、目が覚めただけ」

「母さん、今から出掛けなくちゃいけなくなったのよ……
1人で大丈夫?」

「大丈夫だよ。少ししたら、動けるようになるだろうし……」

「一応、日向くんに声だけ掛けてあるから」

「ひな兄に?」

「そう、お医者さんだし安心でしょ?」