「あの、すみません」

煙を吐き出しながら答えるおじさん。

「ふぅ……何か?」

「ここ、禁煙席なので、タバコ、止めて貰えませんか?」

「誰にも迷惑掛けてないだろ。喫煙席の近くだし」

そう言いながらも吸い続けるおじさん。

「いや、女の子が貴方の煙のせいで苦しんでます」

そう言って、みぃを指さすと周りにいた人も気付いたみたいで、コソコソ話始めた。

「ケホケホッ……ヒューッゴホ」

「俺の煙のせいじゃないだろ……」

「いいえ、喫煙席の煙はこっちに来てないので貴方の煙です」

「喫煙席からこんな近く触る方が悪いだろ」

「ここしか空いてなかったんです」


俺とおじさんの言い合いに、店員さんも気付いたのか、駆け寄ってきた。

「申し訳ありませんが、ここは禁煙席なので、おタバコはお止め下さい」